
みなさまこんにちは。
薬剤師で医学生のみほです。
先日、帰省したときに、
近所のスーパーマーケットで、ばったりと幼稚園時代のお友達のお母さまに会いました。
ほんとうに久しぶりで、立ち話が長くなってしまったの。
そこでお聞きしたのは、お友達の知り合いの薬剤師の方がふたりも編入で医学部に行かれたというお話。
薬学部から医学部へ進みたいという人、実際に増えているようです。
なぜ、薬学部に進みながら医学部を目指すのか、医師の仕事に、薬剤師以上のどんな魅力を感じるのか、さらには、医学部編入試験のことについてもお話してみたいと思います。
なぜ薬学部から医学部を目指すのか
医学部を目指しながらも薬学部に進んだ学生は多い
そもそも、もともとは医学部が第一希望だったにもかかわらず、残念ながら医学部には合格できず、第二希望であった薬学部に合格して薬学部に通っている学生が多く存在しています。その中で、立派な薬剤師になるためにすっぱりと気持ちを切り替える者も入れば、医師になることをどうしてもあきらめられずに、医学部再受験を続ける者も多いというわけです。
国公立大学にこだわるとすると、前期後期で第一希望の医学部を受験し、中期試験にある公立の薬学部を受験するというパターンです。
公立の薬学部とは、下記の3校。
・岐阜薬科大学
・名古屋市立大学
・静岡県立大学
実際、薬学部と医学部のレベルの差は大きく、薬学部が余裕で入学できた者でも、医学部にはほど遠いということが起こります。実をいえば、私もそのひとり。薬学部の成績開示したところ、かなり上位の余裕での合格でしたが、医学部合格にはとても及ばない成績でした。
同級生は毎年、何人か医学部に入学して薬学部を退学していきました。
1~2年生の頃は、通常の大学入学試験を受験して受かっていきます。
初期に受かる学生は、いずれもたいへん優秀な同級生たちでした。学部の勉強をほとんどせずに、仮面浪人状態で合格していく同級生もいましたが、ほとんどは、学部の勉強もほどほどにしながら再受験に成功していっていました。
そもそも、そういった同級生は頭の構造が違うのではないかと思えるほど優秀。テキストをぱらぱらめくっているだけで、膨大な薬学部の試験内容が頭に入ってしまっているんです。さすがと感心したものです。これほど優秀なら、医師になるための勉強にも困ることはないだろうと思って、うらやましく見ていたのを思い出します。
薬学部実習で薬剤師の限界を知る

医学部が第一希望にも拘らず薬学部に進むことになり、いったんは医学部をあきらめて薬剤師になろうと決心していても、実習に行ってみて薬剤師の限界を目の前につきつけられ、
「やっぱりどうしても医師になりたい!」
と思う学生も多くいます。
私もその中の一人。
先日、スーパーの立ち話でお聞きした方も、同じだったそうです。
実習に行ってみると、医師と比較して薬剤師の権限がどんなに限られたものであるかを思い知らされます。
もちろん、お薬については薬剤師である私たちのほうが知識があって専門家なのに、処方の権利を持っているのは医師なのです。薬学生の病院実習が転機になることは多いようです。
薬剤師として働きながら疑義紹介案件に出会う時
薬学生の病院実習は、医学部受験へのモチベーションを引き出す大きなポイントですが、
次のポイントは薬剤師として働き始めてから。

「あれ?」
と、おかしな点に気づき疑義紹介の必要が出てくる場合が多々あります。
例えば、本来なら人間の身体の自然なリズムにのっとってステロイドは朝を多くするのが普通。
ところが、そのことを完全に無視して、昼・夜という処方を続けている医師がいたとします。
「へんねぇ。」
と思った新米薬剤師の私は先輩に相談しました。
「先輩、これはこのままでいいんでしょうか。
疑義紹介して変更してもらったほうがいいですか?」
先輩は眉をひそめて、
「そうなの。へんでしょ。
でも、実はこれもう長くこのままの処方が続いているから、
今さら患者さんにも言えないの。
それに、とくに今まで体調の不良はないようだから。」
と言われました。
薬剤師の立場は弱いのです。
お薬の知識は薬剤師のほうがあって、医師の処方に首をかしげることがあるような場合でも、強く主張できない場合があります。
すべては患者様のため。
患者様の不利益になるような処方はあってはならないことです。
私は、自分で患者さまを診察して治療方針を決めることのできる立場になりたいと強く思うようになりました。
医学部受験はたいへんでした。
医学部に入学してからの勉強もたいへんです。
でも、勉強は楽しい。
医学を学ぶのは、とても楽しい。
すでに私は薬剤師。
薬剤師として医学生をするのは、なかなかいいものです。
この先まだ4年半。
がんばります。