薬学部大学院生ゆきなのブログ

薬学部 有機化学の研究室生活

みなさま こんにちは。
薬学部大学院博士課程1年生のゆきなです。

今日は、私の大学生活の中で、学部の3年生以降、研究室に所属してからの生活についてご案内しますね。

私は、有機化学の研究室に所属してきました。ここは、なかなかたいへんな研究室でした。後輩のみなさまのご参考になれば幸いです。

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とにかくハードな薬学部有機化学の研究室生活

ゆきな

有機化学の研究室では、たくさんの実験をこなさなければならないの

私が所属する有機化学の研究室は、コアタイム制となっていて、
朝9時には学校に行っていなければなりません。
その後、一日中研究実験をして、帰宅は早くて9時です。
遅くなるときは、12時近くなることも珍しくありません。

とにかく、たくさんの実験の数をこなして、手当たり次第、目的の反応が効率よく進行する条件を探さなければなりません。

指導してくださる有機化学の先生方は、ハードな実験をこなしてきたような方ばかり。
今現在でも、学生より長く学校に残っているほどです。朝は9時にはもう出勤しているのに、夜は12時、1時まで残っているのはざら、といったご様子なのです。

私たち学生がさぼるわけにはいきません。

薬学部有機化学の研究室では、定期的に空気中の濃度を計測

みほ

有機化学の研究室のあたりは、やっぱりなんとなく薬品の臭いが気になるのよ

私などは、もう慣れてしまったのですが、
他の研究室に所属しているみほが、時折私たちの研究室を訪れると、薬品の臭いが気になるようです。

この点に関しては、学校側もとても気を遣ってくれています。

定期的に検査会社が来て、実験室の空気中の揮発している有機溶媒の濃度を計測していきます。そして、濃度が基準より低いということをつねに確認して、学生の安全に留意してくれています。

私たちの大学では、学部の1年生~3年生まで、父兄が大学を訪れて講演を聞いたり、学内を見学して回ることができます。その際にも、教員から父兄に

薬学部教員

安全には留意していますから、ご安心ください

と説明があったそうです。母もやはり、有機系の研究室のあたりの臭いは気になったそうです。

薬学部の有機化学研究室 研究報告も厳しい

有機化学の研究は、多くの実験を繰り返してみて、その中から意味のあるものを拾い出し、さらにまた実験を繰り返し、という工程が必要で非常に時間がかかります。

時間をかけた作業が結果に結びつかず、最初からやり直し、ということも珍しくはありません。

そのような中で、私の所属する研究室では、結果が出る出ないは別として、学生が実際にどのような作業をしていたのかについては、毎週報告する義務があります。

土曜日  週間報告書の提出

日曜日  教員が添削

月曜日  教員から学生への指導

この作業が、毎週おこなわれます。とても良く面倒をみていただくことができたいへんありがたいのですが、少しでもさぼったらすぐにばれてしまいます。気が抜けるときはありません。

似た分野の研究をしている学生3人  教員3人 による

月に1回のディスカッション

も行われます。さらに

半年に1回  有機化学の研究室全体で報告会
ここで自分の研究の成果について発表する

半年に1回は、自分の研究の成果を発表しなければならないのですが、なかなか成果が出ていないとつらい日となります。この日に向けてのプレッシャーはかなりのものです。

薬学部学生の文献紹介

文献紹介は、どの研究室でも行われているものです。

お互いの知識を高め合おうという目的のもと、さまざまな文献を調べて発表をします。調べた文献の中から、各自が1~2本の論文を選んで発表をします。文献を読んでスライドにまとめて発表し、質疑応答を受けます。質疑応答のときの質問に答えられるような準備もしておかなければなりません。

このとき、大学の回線を使えば、世界中の論文や文献を調べることが可能です。
自宅のPCでは、ログインができません。

大学でかなりの費用を投じてライセンスを購入してくれているようです。

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就職後は、各薬局がこの費用を払って文献照会ができるようになっていれば見ることができると思います。このあたりは、大手薬局が強みを発揮するのかもしれません。

薬学部有機化学ではどのような内容の実験をするのか

ところで、このように実験の時間による制約の多い有機化学の研究室では、どのようなことを研究しているか、少しご紹介しますね。

ex.1) 例えば、A→Bという物質をつくる際に、現在は収率50%の方法が確率されているとします。
これを、80%の収率で行えるようになる方法はないものだろうか、というように新しい反応方法を探っていくという研究があります。

未知のものですから、資料を調べながらあらかじめ予測を立て、
これにトライしてみよう、
と決めたら、実際に実験を繰り返していくのです。でも、あくまでも、トライ&エラーの繰り返し。
予測したことのすべてがうまくいくわけではありません。

ex.2) また、全合成の研究などもあります。

有機化学における全合成(ぜんごうせい、英: total synthesis)は、原則として、より単純 な部品から、通常は生物学的過程の助けを受けずに行われる  Wikipediaより

例えば、植物から採取したあるアルカロイドをターゲットとして、同じものを人工的に作ることができないだろうか、という研究をしていくのです。研究の過程や生成方法のアイデアなどは、すべて自分で考えなければなりません。ゴールが見えていないので、心理的にも、けっこうな負担があります。

ただ、それが成功した時の喜びはたいへん大きいものとなります。

ちなみに、ウィキペディアによれば最初に単離されたアルカロイドはケシから抽出されたモルヒネだということです。

優秀な学生は学生のときに学会発表をする

分野によって異なりますが、有機化学の研究室では、優秀な学生が国内の学会で学会発表もしています。おおよそ、5人に3人くらいの割合です。学会参加費、旅費などの費用を自分で負担する必要はありません。援助していただけます。

学生のうちに学会発表が可能かどうかは、研究している分野によりさまざまです。

分析化学を専攻している学生は論文が書きやすく、学生ながら、国内のみならず、海外の学会でも発表をしているようです。いっぽう、薬理などの研究室では、学部あるいは大学院修士の段階での学会発表はかなりハードルが高くなります。

有機化学系の研究室は実験の時間が長くたいへんですが、結果が出たときの喜びは大きくやりがいもあるので、気骨のある学生さんは、ぜひがんばって有機化学系の研究室を選んでほしいと思います。

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