調剤薬局の薬剤師の悩み

調剤薬局でのお薬の在庫管理 処方箋のお薬が足りない 患者さまはご立腹

みなさま、こんにちは。
新米薬剤師のみほです。

私は、小さな規模の調剤薬局勤務です。小さな規模の薬局には、大手とは違った苦労が多々あるようです。例えば・・・。

処方されたお薬の在庫がなく怒ってしまわれる患者さま

ごくまれにいらっしゃる患者さまなのですが、毎回レアなお薬を頼まれますので、当然ながら在庫がありません。そこで、お薬がお取り寄せになる旨をお伝えしますと、待たされるのは我慢ならないとたいへんなご立腹です。

みほ

申し訳ございません。こちらのお薬は、お取り寄せとなりますので、すぐにお渡しすることができません。本日の夕方でしたらご準備させていただけますが。

患者さま

どこの病院の処方箋でも受けると書いてあるのに、薬がないとはおかしいじゃないか

私どもとしても、なるべく患者さまのご要望にそえますようにと努力はしておりますが、何万種類もあるお薬のすべての在庫を網羅しておくのは至難の業です。

しかも、毎月その方が必ずいらっしゃって同じ薬が必ず必要とわかっていれば、私どもも在庫することを考えますが、いついらっしゃるともわからない方なので在庫のリスクをとることはできません。

薬が足りないとき薬局はどうするの?

薬が足りない

調剤薬局は、最近では開業医のすぐ近くで開業医で出される処方箋に主に対応する門前薬局が多くなってきました。けれども、門前薬局とはいえ、すべての病院の処方箋を受け付けることになっています。ところが、薬の種類は1万5000種類はあるといわれていますから、すべてのお薬の在庫をおいておくことはできません。門前の開業医が良く処方する薬を中心にそろえています。

そのため、さきほどのような患者さまの場合には、処方箋に書かれているお薬の在庫がないことは、けっして珍しいことではありません。

こういった場合には、どのように対応しているのでしょうか。大きく分けて、下記のいずれかの対応となります。

1. チェーン店の場合は、他の店舗から在庫を取り寄せる。個人薬局の場合は、近隣の薬局から借りてくる。また、このような場合に備えて小売りをしてくれるセンターまたは業者に注文する。
2. 日ごろ納品してもらっている卸業者に発注して、後日患者さまにお渡しする。

1. のように、大手のチェーン薬局では支店どうしで在庫を融通することが容易ですので、取り寄せの時間も短くなりますし、ロス在庫も少なくなります。

けれども、私が勤務しているような小さい薬局では、そのような融通はききません。もちろん、小さい薬局でもお薬の取り寄せはしますが、やはり大手さんの品ぞろえにはなかなか太刀打ちできませんね。

在庫がないことを理由に処方を断ることはできない

薬局は、在庫がないことを理由に処方を断ることはできないことになっています。

ただし、在庫がないお薬で、取り寄せによって、飲まなければならない期限に間に合わなくなってしまう、という場合にはお断りできることになっています。

薬局の在庫管理はたいへん

薬の種類は1万5000

そもそも、お薬の種類は1万5000種類もあるといわれています。

それらのお薬を、ひとつの薬局がすべて網羅しておくということは、誰にでもわかるようにとても無理なことです。

ジェネリックが在庫を膨らませる原因になる

同じような効能の薬は、在庫の観点だけから考えれば、薬局としてはできれば1種類だけを置いておきたくなります。しかし、現実には、似た作用の薬は年々種類が増え、新薬も追加されてきます。さらに、そこにジェネリック薬品が加わると、どんどんお薬の種類が増えてきてしまいます。

在庫という点から考えると、薬局経営には大きなマイナス要素となってきます。

しかも、薬局としては、利益の多いジェネリック薬品を利用していただきたいのが本音です。

トータルで、自分の薬局ではどの薬を在庫として確保しておくのか、判断が迫られるところです。

在庫管理を効率良くするためにできることとは

在庫整理を頻繁に行う

不動在庫とわかったものは、即問屋に返品をする

未開封のお薬であれば返品は可能です。返品するのは、とにかく早いほうがよいです。

最近は、包装変更も頻繁に行われるので、もたもたしているとパッケージが仕様変更となり、返品不可となる恐れもあります。そのようなことを避けるためにも、返品は早いにこしたことはありません。

ときには、錠剤の形状などが変更になっているということもあります。メーカーも返品回避のために必死なのかもしれませんね。

大手チェーン薬局では支店間で在庫の共有をする

大手のチェーン薬局では、支店間で在庫を融通して、こちらの店舗にないものは、別の店舗から数時間でお取り寄せが可能です。

小規模・個人薬局の場合の在庫調達について

ところが、個人の薬局となると、融通をしてくれる支店がありません。そのため、ロス在庫が多くなってしまいます。

当然ながら、いついらっしゃるかどうかわからないひとりの患者さまのためにお薬を発注して在庫にしておくことはできません。在庫として持って患者さまをお待ちしていたのに、お越しならずに無駄ができることが重なれば、店舗の経営をひっぱくしてしまいます。

スポンサーリンク

地域の薬剤師会に加入していれば、地域薬剤師会が運営する管理センターなどがあり、在庫の融通をしてくれるはずです。また、地方によりさまざまなようですが、そのような役割をもつ企業もあります。たとえば、九州にはPSC(http://www.psc-web.net/main.html)という会社があり、注文から当日または翌日納品で、しかも小分けをして販売してくれますので便利です。

全国に、こういった会社があります。

近隣の薬局から薬を購入する

あるいは、近隣の小規模な薬局どうしが助け合って在庫の融通をしてもらうという方法もあります。

近隣の薬局から薬を購入することを「薬価買い」と言います。「小分け」という呼び方の地域もあるようです。

とくに多く行われるのは、大病院の門前に、たくさんの調剤薬局が並んでいるようなところです。こうしたところでは、お互いに助け合って、患者さまに一刻も早くお薬をお渡しできるように融通しあっているのですね。とても便利な方法ですが、個人の開業医の門前では、あまり行われていないようです。

不動在庫を買い取る業者がある

おそらく、多くの薬局が利用していると思われますが、不動在庫を買い取ってくれる業者があります。

ただし、そちらの業者も商売ですので、びっくりするほど安価な買い取り価格になってしまいます。お薬には使用可能な期限もあって、それは厳密なものですからしかたありませんね。

薬局の支店を増やす

とくに個人の薬局経営には、頭を悩ませる課題がたくさんあります。患者さまへの対応などをよくして多くの方に来ていただける薬局づくりをすることはもちろんですが、それにより、在庫の種類が増えて利益にならないという現実も出てきてしまいます。

不動在庫をいかに減らすか、効率のよい在庫をもつにはどうすればよいのか。
薬局の在庫回転率をいかに高めるか。
薬局も営利企業ですから、この在庫という課題は大きな難点です。

その対策のひとつとして、リスクを負っても薬局の支店を増やしていくという手法もあります。在庫融通をして、ロス在庫を減らすためですが、大きな元手がかかりますね。

処方箋のお薬の在庫がない場合の患者さまへの対応は

経営を考えなくては、薬局の存続じたいが危ぶまれますから、利益の出る経営をしなければならないのはもちろんのことです。

けれども、やはり患者さまあっての薬局。
患者さまファーストで患者さまをたいせつに思い、患者さまのためにお役に立ちたい、という意識を高く持っていきたいものです。

なぜ、自分が薬剤師をめざしたのか、常に振り返って考えることがたいせつですね。私も、初心を忘れないように、何かの問題にぶち当たるたびに、これからも初心を振り返ることを心掛けていこうと決意をあらたにしました。

薬剤師は社会に貢献することができる仕事です。薬剤師になれたというのは、その点で、ほんとうにありがたいことだと思います。社会に貢献する、ということを忘れずに、効率的経営を前提として、かつ患者さまに在庫について理解していただくには、どうすればよいでしょうか。

お取り寄せに時間がかかることを丁寧にご説明する

薬の在庫がないことを理由にして調剤をお断りすることはできません。それは違法です。

お断りできるのは、服用を急ぐ状況なのに在庫がない場合です。

お断りすることはできませんので、事情をご説明することになります。けれども、実際に取り寄せるとしても、近隣薬局やチェーン店で都合がつかない場合、小口で販売してくれるセンターなどに依頼することになります。けれども、それでもロットはありますので、最少単位で入れても、その処方箋限りでは余ってしまうかもしれません。

そこで、

薬剤師

こちらのお薬のお取り寄せには、1週間かかりますがよろしいでしょうか。

とお伝えして、やんわりとお断りしている薬局もあるようです。現実な対応と言っていいものでしょうか。

薬局にすべてのお薬が在庫としてあるのではないことを理解してもらう

たいていの患者さまは、ご自分の病気のことで頭がいっぱいです。薬局のお薬の在庫のことなどは当然ながら二の次の事項です。ですから、
ことに腹を立て、

患者さま

自分に必要なお薬がそろっていないなんておかしい。
取り寄せに時間がかかるなんて我慢できない

と言われる患者さまには、事情をしっかりとご説明しなければなりません。

お薬の種類は1万5000種類もあるということをお伝えし、さらにお薬には有効期限もあるため、この薬局でそれらを全部そろえておくのは無理なことをじっくりとご説明すれば、ほとんどの患者さまには理解していただけます。

そのうえで、在庫のないお薬もお取り寄せは可能で、お時間はかかるけれども、調剤は可能だと安心していただきます。場合によっては、お取り寄せをして郵送または宅配便でお送りいたしますと申し上げて、サービスも充実していることをわかっていただくようにします。

患者さまの立場に立ち心のこもった対応を

処方されたお薬は、どこの薬局でもらってもまったく同じ製品です。また、お値段も同じです。

すると、患者さまはどのように調剤薬局を選ぶのか。患者さまが薬局を選ぶ基準は下記のような事項になります。

① 立地が便利なこと

② 対応が良いこと

その他は、どの薬局で調剤してもらおうと同じ商品なのですから、開業後の各薬局の努力は②の対応の部分のみとなりますね。

在庫がないという場面が出てくるのは、避けられない事項です。

肝心なのは、その後の対応のしかとということです。患者さまのご気分を害さないような対応が肝要です。求められる薬剤師のあり方が、コミュニケーションスキルにあるというのも、この点からも納得できますね。

スポンサーリンク
関連記事
ツールバーへスキップ